こんな夜はあの子に会える気がする

土曜日の、晴天の午後に

空に還った白黒のあの子。


最近見かけないなぁ、と

思っていたら

土曜日、いつもの定位置に

あの子が日向ぼっこをしてて

それを飼い主さんが見守っている

ところに出くわした。


近づいて気付いた。


あの子は痩せ細って 

毛並みも悪くなり

目をつぶって

苦しそうに息をしていた。


「病院に入院させていたけど

もう、何も食べなくなって

動けなくて治療もできなくてね。

最後は好きにさせてあげたいから 

連れて帰ってきたの。そしたら

頑張って、あそこまで自分で

歩いたのよ。」


キラキラした日差しに照らされて

あの子の白黒の背中が上下するのを

飼い主さんとずっと見ていた。


◇◇◇◇◇◇◇


今日みたいに暖かい夜は

必ずあの子が外にいて

私が通りかかると駆け寄って

来てくれたっけ。

ここに引っ越してからだから

5年間ずっと。


だから残業帰りの夜も

寂しくなかった。


今日、無意識にあの子を

探してしまい、でももう

会えないことが寂しくて

涙が出てくる。でもこれは

自己憐憫の涙だ。


あの子は1人で、自分の場所で

しっかりと苦しみを乗り越えてから

苦しくない世界へ逝ったのだから。


それは生き物すべてがいつか通る道で

決してかわいそうなんかではないのだから。


それでも涙が止まらなくて

それが夫にバレるのも嫌だし

あの子のことも忘れたくないので

こうしてぐちゃぐちゃな顔で

この記事を書き残しているのです。





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